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ITA Issue 連載 : WebとSOAを融合したWeb Oriented Architectureの世界
Project Zeroで試すアジャイルなWebアプリケーション開発
第2回 Project Zeroが実現するWebアプリケーション開発スタイル
前回は、Project Zeroが誕生した背景について説明した。その要点を繰り返せば、今日普及したAjax/RESTなどのWeb 2.0技術を使い、Webの世界とSOAの世界を融合したWebアプリケーションをアジャイルに開発/提供するための環境を提供することがProject Zeroの狙いとなる。今回は、このProject Zeroが具体的にどのような特徴を備えたWebアプリケーション・プラットフォームなのかを、Project Zeroをベースにした商用製品であるIBM WebSphere sMashを例にとって説明する。
2008年8月4日更新
Project ZeroとWebSphere sMash
前回、Project Zeroが誕生した背景について説明したが、今回は、そうした背景の下に開発されたProject ZeroがどのようなWebアプリケーション・プラットフォームなのかを、Project Zeroを基にした商用製品であるIBM WebSphere sMashを例にとって解説する。
なお、具体的な説明に入る前に、Project ZeroとWebSphere sMashの関係について簡単に述べておこう(併せて表1もご覧いただきたい)。
| Project Zero | 最新実装のコミュニティ・エディション。Project ZeroのWebサイトからダウンロードできる |
| WebSphere sMash | WebSphere sMashの有償製品版 |
| WebSphere sMash Reliable Transport Extensions | WebSphere sMashの拡張機能の製品版。メッセージングなどの拡張通信機能を提供する |
| WebSphere sMash DE(Developer Edition) | WebSphere sMashのコミュニティ・エディション。Project ZeroのWebサイトからダウンロードできる |
これまでも説明してきたように、Project Zeroは、IBMが開発を進める新しいタイプのWebアプリケーション・プラットフォームだ。その成果物となるバイナリ・コードとソース・コードはProject ZeroのWebサイトで公開されている(ダウンロードには簡単なユーザー登録が必要)。
また、IBMはProject Zeroを基にした商用製品としてIBM WebSphere sMashとWebSphere sMash Reliable Transport Extensionsの2つを提供している。このうち、前者がWebアプリケーション・プラットフォームに当たる基本パッケージであり、後者は基本パッケージにキューを介したメッセージング機能を付加する追加製品である。
さらに、WebSphere sMashには、有償のエディションと無償のコミュニティ・エディションの2つがある。後者は商用エディションを購入した開発者の開発環境および評価版という位置づけだ。基本的に商用エディションと同じ機能を備えており、これもProject ZeroのWebサイトからダウンロードできる。
このように、Project Zeroを基にした成果物は4つあり、WebSphere sMashとWebSphere sMash Reliable Transport Extensionsが商用エディションに、WebSphere sMash DEとProject Zeroがコミュニティ・エディションに位置づけられている。WebSphere sMash DEとProject Zeroの違いは、後者がProject Zeroにおける最新の成果を反映した実装であるという点だ。なお、プロジェクト名としてのProject Zeroと実装を区別するために、実装のほうは主にコードネームで呼ばれる。最新の実装コードネームは「Siverstone」となっている。
以上のように、現在Project Zeroが提供するもののうち、読者に無料でお試しいただけるものはSiverstoneとWebSphere sMash DEの2種類があるわけだが、前者は頻繁にバイナリ/ソースが更新され、機能の変更や追加が頻繁に行われるため、解説の題材とするには少々不安定だ(例えば、前回に使い方を解説した機能が、次回には変更されている可能性がある)。そこで、本連載におけるProject ZeroでのWebアプリケーション開発手順などは、後者のWebSphere sMash DEを使って行うことにする。また同じ理由から、次節以降におけるProject Zeroの特徴の解説も、WebSphere sMashをベースにして行う。
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Project Zeroが採用するオープンな開発プロセス 「Community Driven Commercial Development」 Project Zeroは、2006年6月にIBMが開始したインキュベーター・プロジェクトで、その成果物として昨年6月にバイナリ・コードの公開が、また同年8月にソース・コードの公開が開始されている。 ソース・コードを公開していることからしばしば誤解されるのだが、Project Zeroはオープンソース・プロジェクトではない。例えば、そのライセンスはオープンソース・プロダクトと比べて制約が多いし、コミッターはIBM社員に限られている。 こうした独特の試みの背景には、開発プロセスをオープンにすることで、世界中の開発者やユーザーからのフィードバックを集め、より市場のニーズにマッチしたソフトウェア製品を作り、提供しようとの狙いがある。これまで、商用ソフトウェアの開発部門とユーザーとの間の意見交換の機会は限られていたが、一挙に両者の間の距離を縮め、現場のニーズをダイレクトに製品に反映させようというわけだ。IBMは、この新たな開発スタイルを「Community-Driven Commercial Development(以下、CDCD)」と呼んでおり、IBMのRationalブランドで開発が進められている「Jazz」でも同じ手法をとっている。 Project Zeroにおいて、開発側とユーザー側の間を取り持っているのが、そのWebサイトだ。このサイトでは、WebSphere sMash DEやProject Zeroのバイナリ・コード/ソース・コード、ドキュメント、フォーラム、バグ・トラッキング・システム、ブログが公開されている。バイナリ・コードのダウンロードやドキュメントの閲覧、フォーラムの閲覧/書き込みは、だれでも行うことができる(ソース・コードのダウンロードやフォーラムへの書き込みなど一部の操作にはユーザー登録が必要)。 |









