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Event Report : 「ITの力で顧客満足と業務効率を両立」リポート
住友信託銀行の事例に学ぶ、Enterprise RIA導入の勘所
アドビのFlex/AIR、LiveCycle ESを活用し、国内63店/約6,400台の端末で利用する「営業店統合フロントシステム」を構築
2009年5月27日更新
「顧客管理システム」に旺盛な投資意欲見せる国内金融機関。目的は「顧客満足度の向上」による囲い込み
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現下の世界的な不況の中、国内企業の多くはIT投資を抑制する傾向を強めている。これまで国内IT投資の牽引役を果たしてきた金融機関も例外ではない。ただし、各行/各社はコスト削減を進める一方で、顧客の囲い込み、俗に言う“ウォレット・シェアの拡大”に努めており、それに寄与するIT投資には積極的な姿勢を見せているようだ。
実際、IDC Japanが5月13日に発表した国内大手金融機関のIT投資動向調査(調査は昨年11月に実施)の結果によれば、2009年度のIT投資額は、各行/各社ともに前年度比で10〜20%の削減を見込んでいる一方で、「次世代勘定系システム」と並んで「顧客管理システム」や「インフラ統合」への旺盛な投資意欲が見られる。IDCの分析によれば、これは景気後退によって業績が悪化する金融機関が増える中で、多くの金融機関が顧客の囲い込みや業務/システム効率の改善に継続して努めている姿勢の現れだという。
金融機関向けのRIA&PDF活用事例を紹介
もっとも、継続的なものだとは言え、顧客満足度の向上に努める各行/各社の取り組みが、これまでとまったく同じ考え方/アプローチに基づいているというわけではないだろう。これに関して、「従来とは、求められるレベルが明確に違ってきている」と指摘するのは、アドビ システムズのセッション『事例にみる、金融機関でのRIA&PDF活用法』で壇上に立った同社の小島 英揮氏(マーケティング本部 ビジネス・ソリューション/エンタープライズマーケティング部 部長)だ。氏によれば、今日の企業システムには、かつての「必要な情報を提示する」といった程度のレベルから、一段も二段も上のレベルが求められるようになってきているという。
「今日の企業システムは、単に『ビジネスや業務に必要な情報を提示する』という役割を果たすだけでは、もはや不十分だ。『わかりやすく情報を提示する』のはもちろんのこと、『(顧客や経営者、業務担当者らユーザーの)行動につながる』ようなかたちで情報を提示しなければ満足されなくなってきている」(小島氏)
そのうえで小島氏は、「行動につながる」ITの活用例として、アドビが擁するPDF技術を用いた金融機関向けのドキュメント・ソリューションや、Flash/Flexを用いたRIA(Rich Internet Application)ソリューションの例を紹介した。
PDFフォームを活用して口座開設プロセスを効率化
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ご存じのとおり、PDFはアドビが開発した電子文書フォーマットであり、「各種ドキュメントを電子的に管理できる」という特徴のほかに、「電子フォーム(PDFフォーム)機能により、書式中に入力されたデータを送信したり、保管したりできる」、「セキュリティ機能により、暗号化や電子署名を施し、書類の信頼性を確保することができる」といった特徴を備える。また最近では、複数のPDF文書をまとめて1つの文書群(ポートフォリオ)として管理することが可能になったほか(PDFポートフォリオ機能)、従来の電子署名とは異なり、事前の証明書受け入れを行うことなく、電子署名を付与した文書を配布できるようになっている(Adobe CDS[Certified Document Service]対応電子署名)。加えて、DRM(Digital Right Management)機能を使い、文書の閲覧期限や閲覧可能者を指定して配布したり、配布後の文書を後から閲覧不可にしたりといったことも行える。
小島氏はこうした特徴を紹介した後、国内外の金融機関におけるPDFフォームの活用事例を紹介した。例えば、米国のシティバンクでは、企業による口座開設プロセスを効率化するために、PDFの電子署名機能やPDFフォーム機能を使っている。具体的には、企業が海外などで口座を開く際、PDFフォームで必要事項を入力し、電子署名を付与して届け出を提出する。すると、それを受け取ったシティバンク側では、証明書認証局に確認したうえで、PDFフォームに入力された情報に基づいて口座開設手続きを行うという仕組みを運用しているのだという。
Flash/FlexとPDFを組み合わせたハイブリッド型で複雑な申請処理を自動化
一方、表現力の高いユーザー・インタフェース(UI)の実現に広く使われているFlash/Flexも、国内外の金融機関での導入が進んでいる。小島氏は、国内金融機関におけるオンライン・トレーディング・アプリケーションやセルフサービス型申請アプリケーションなどでの活用例を紹介した後、特に最近の傾向として、Flash/FlexをPDFと組み合わせたハイブリッド型アプリケーションへの関心が高まっていることを紹介した。このハイブリッド型アプリケーションとは、Flash/FlexによるRIAで作成したUIからデータを入力すると、そのデータを使って瞬時にPDF文書を生成するというものだ。
「金融機関では、口座開設などの新規契約時に多くの書類への記入が必要になるが、このプロセスを紙の文書で運用すると、多くの時間やコストがかかるうえ、記入ミスも多発する。そこで、オーストラリアの資産運用会社であるシナジー・キャピタル・マネジメントでは、このプロセスをハイブリッド型アプリケーションで実現して口座開設プロセスを自動化することにより、事務効率を改善し、オンラインでのセルフ・サービス利用率を高めることに成功した」(小島氏)
なお、以上に紹介したPDFやFlash/Flexによる事例では、サーバ側での文書生成/管理、データ取得/管理、セキュリティ管理、プロセス管理、システム間連携といった処理が、アドビの企業向けコンポーネント・スイート「Adobe LiveCycle Enterprise Suite(以下、LiveCycle ES)」を用いて構築されている。小島氏のセッションでは、このLiveCycle ESとPDFなどを使い、損害保険会社の事故査定プロセスのような、複数企業にまたがる非定型プロセスを電子化/自動化するといった活用例も紹介された。









